苔のカエルの雑記録

~ここは関東のとある限界集落~山間の田舎暮らしをつづっています

苔を育てる 2

ハイゴケ

絨毯のように一面にびっしりと生え揃うほふく性の苔、それがハイゴケです。

うまく育成すれば、このような感じに育ちます。

比較的乾燥にも強い苔で、盆栽等の園芸に利用できるほか、庭のグランドカバー用植物としても使えます。

人気の高い苔ですね。

撒く

ハイゴケは平面的に拡がっていく、ほふく性の苔ですから、本体の苔を細かく刻んで土の上に撒いていく方法の「まきゴケ」を用いるのが効率の良い増やし方です。これならば元の苔が少量でも広範囲にハイゴケを繁殖させることが可能です。

※上の写真のようにシート状に育ったものを移植して増やしていく方法もあります。これならばすぐに苔を利用できるので、庭のグランドカバーにするような場合にはそちらの方法をとる場合が多いようですが、当然に元の苔が大量に必要です。このようにシート状の苔を移植する方法を「はりゴケ」といいます。

撒く苔は、私がいろいろと試した結果では、2mm程度の大きさに切り分けるのが成長と効率という点で最適のように思います。また、茎と葉を分けたほうが育った時の大きさが揃いますが、それを気にしないなら混ぜてしまっても成長に問題はありません。

土は園芸用の赤玉土をメインに使用し、砂や燻炭等を混ぜて使っています。庭や畑の土でも育ちますがカビが出ることが多々あります。

秋に撒きゴケした場合は、春の終わりから初夏にかけての今頃の時期(もちろんその年の気候にもよりますが4月中頃~5月)に新芽が勢い良く伸びてきます。(暖かい地方ではもう少し早いかもしれません)

気温が高くなってから(日中の気温がおよそ20度以上になるころから)の撒きゴケであれば、撒いた苔の大きさや置かれている環境にもよりますが概ね1ヶ月程度でこのくらいには育つようです。

順調に成長が進めば、次第に下の写真のように苔の密度が濃くなってきます。

密度が濃くならない場合は、撒いた苔の量が少なかったのかもしれません。その場合は、細かく切った苔を更に撒くことで、成長に多少のばらつきは出てしまいますが、対策をすることができます。

なお、気温が高すぎる盛夏は、苔を撒いても上手く育たないというのが私の印象です。夜も温度が高いので水の管理が難しいからかもしれませんし、日中の高気温に新芽が耐えられないのかもしれません。撒くなら春と秋がいいようです。

また、言うまでもないかもしれませんが、真冬に苔を撒いても(屋外では)気温が低いので苔は成長しません。

水やり

前述の通り、ハイゴケは乾燥に強いタイプの苔です。小さいうちは過度に乾燥しないよう水分管理には注意をしなければいけませんが、大きくなったらそれほど頻繁に水やりをする必要はありません。というか屋外に植えてあるものならば、異常に長期間雨が降らない場合を除き、自然の降雨に任せておけば大丈夫です。カラカラに乾燥してしまっていても大抵の場合、水をたっぷり被れば元通りになります。

ですが、成長を促進させたいなら、ある程度乾燥が進んできたときには全体がざっと湿る程度の適度の水やりをした方が良いようです。

その水やりのときに注意したいのは、苔が蒸れないようにすることです。具体的に言えば日中の陽がさしている時間に水を掛けるのはNGです。また、朝方に水をやるのも注意が必要です。苔が水分を多分に含んだまま強い陽光に晒されれば当然に蒸れます。

蒸れるとその苔は大きなダメージを負います。乾燥よりも、この蒸れの方がハイゴケには致命的です。

水やりは夕暮れ時、これが基本です。