トキワシノブじゃないほう
身近にあるシダ植物を紹介します。今回はシノブです。
これは、我が家の庭に生えているものを撮影しました。半自生ですが、かなり昔に盆栽で放置されていたものが定着したようです。
シノブ? トキワシノブじゃないの? と思った方もいらっしゃるでしょう。
ごもっともですが、今回ここで取り上げるのはシノブのほうです。シノブとトキワシノブは別物です。
トキワシノブは名前の通りシノブの仲間ですが冬季は葉を落とすシノブより葉が厚く、常緑で冬も葉が落ちません。ですので園芸植物としてはトキワシノブの方がどうしても好まれますし、当然にメジャーな存在になります。苔玉などでよく使われますので見る機会も多いですしね。ちなみに、トキワシノブは台湾が原産です。
特徴など
シノブは、日本全国で見ることができます。過度な直射日光は好みませんが、寒暖などの環境にあまり影響されずに育つ比較的強いシダ植物です。耐陰性もありますので、室内でも育ちます。
シノブは土の少ない場所でも育ち、それどころか水苔や棕櫚の皮などに根を張ってでも生きていくことができます。自然界でも木や岩に這うようにして育っている姿を見ることは珍しくありません。背丈は大きくても30㎝程度で、なかなか複雑な形の葉を付けます。
多年草ですが、前述しましたように冬季は葉を落とします。根は残っていますので、翌年にはまた葉を出します。
多くのシダ植物と同じように、シノブも湿度が高い環境を好みます。育てる場合は過度な乾燥が続かないように配慮をすることが大切です。
とくに水苔に着生させた場合は乾燥が急なので、水の管理をしっかりしないと短い時間で枯らしてしまうことになりかねません。
葉に霧吹きで水を吹きかけることも、見栄え良く元気に育てるためには必要になります。