苔のカエルの雑記録

~ここは関東のとある限界集落~山間の田舎暮らしをつづっています

ユキノシタ

苔と相性が抜群

我が家の裏手は石垣になっているのですが、日当たりが悪くジメジメとしています。

そんな環境ですので通常の植物はうまく育ちませんが、苔やシダは放っておいても自生します。そしてもう一つ、良く育つ植物があります。ユキノシタです。

白い花をつけ、群生してるのがユキノシタです。ずっと昔からここに自生しています。御覧の通り、苔と競い合うように咲き誇っています。

ユキノシタの花をアップにしてみました。

なかなか変わった形をした花ですよね。リボンを思わせるような特徴的な姿です。上下の花びらがアンバランスで、上の三つの花びらには独特の模様があります。この模様はそれぞれの花で微妙に違うんですよ。もしどこかでユキノシタを見つけたら、じっくり観察してみてくださいね。ちなみに花は5月~7月頃に咲きます。我が家の周囲では今頃が最盛期です。

ユキノシタは葉も特徴があります。葉脈に沿って赤紫色の地の色が抜けている独特の模様になっています。葉の裏面は赤紫の一色です。(同じユキノシタでも地の色が赤紫色ではなく緑色で、葉脈の周囲が白になっているものもあります。その場合は裏面は緑一色です)。なお、この葉には細かい毛が無数に生えています。

湿った日陰を好む

ユキノシタは、日本では本州、四国、九州で見ることができる常緑性の多年草です。湿気の多い、日陰や半日陰の場所を好みます。我が家の裏手のような石垣や、法面などで普通に自生もしていますが、田舎の民家では庭先に植えられていることも少なくありません。

食べられます

観賞用の野草として悪くないユキノシタですが、実は山菜として食べることもできます。

食べるときは葉を天ぷらにすることが多いですが、お浸しにもできます。ハーブティーとして飲むこともできるようです。天ぷらはインターネットの記事などを見ると、美味しいと書かれているものを多く見かけますが、私はあまり美味しいとは思いませんので、めったに食べることはありません。

また、この野草は、古くは薬としても用いられたことが知られています。切り傷や虫刺され、また中耳炎や耳垂れに効果があるとされています。(あくまで民間薬・民間療法として伝えられている範囲とご理解願います)これはユキノシタに抗菌作用があることに由来するものであるようです。

前述したように、田舎の民家の庭先に植えられているのは、日陰に強い園芸植物としてはもちろん、ドクダミなどと同様に民間薬としての利用を見込んだものでもあったのでしょう。