苔のカエルの雑記録

~ここは関東のとある限界集落~山間の田舎暮らしをつづっています

身近なシダ植物。クマワラビ

名称にワラビと入っていますが

身近にあるシダ植物を紹介します。今回はクマワラビです。

漢字では熊蕨と書きます。

ワラビと名が付いていますが、山菜の定番であるワラビとは違います。近い種のシダでもありません。見た目は割合と似ているので注意してくださいね。

クマワラビはオシダ科オシダ属。

ワラビはコバノイシカグマ科ワラビ属。

となっており、分類されている科が違います。

クマワラビは本州から九州で自生しています。(北海道でも一部見られます)

常緑性のシダで、生えている場所は林床が多く、日当たりのあまりよくない崖などでも見かけます。近い種のシダには似たものが少なくなく、また自然界ではそういものとの雑種が多いようです。

成長すると高さは30㎝程にまでなりますが、それ以上大きいものは我が家の周囲では見かけることはありません。葉の長さとしては50㎝を超えるものを見ることはあります。

特徴と育て方

特徴として、胞子嚢を付ける先端部の羽片が他の羽片と比べて明らかに小さいことがあげられます。また、クマワラビは先端の羽片の裏のみに胞子嚢を付けます。これらはクマワラビを見分ける際に使えます。

これが胞子嚢群(ソーラス)です。葉の先端部分のみに付いています。この胞子嚢を付けた羽片は、胞子を放出した後には枯れてしまいます。なお、クマワラビに似ているオクマワラビは胞子を放出後にもその羽片は枯れません。

また、クマワラビは、葉身の下部(見た目での根元の部分)に鱗片と呼ばれる、見た目が鰹節に似たようなものをかなり密に付けます。

こんな感じです。

クマワラビは、葉を広げた姿は清々しく見え、観葉植物としても悪くはないかと思います。

育てる場合は、強い直射日光が当たらない明るめの場所に置き、適度に土壌の水分を保っておけば、それほど神経を使う必要はありません。根腐れには注意する必要がありますが、育てるのが比較的容易なシダだといえるのではないでしょうか。

土はホームセンター等で売っている観葉植物用のものを用いると簡単です。葉の緑を保つために、葉に霧吹きで水をかけることも忘れないようにするのがポイントです。

※他人の所有地内の苔やシダを、勝手に採取するのは違法ですのでやめましょう。