苔のカエルの雑記録

~ここは関東のとある限界集落~山間の田舎暮らしをつづっています

身近なシダ植物。オオバノイノモトソウ

シダとは

シダ植物は、胞子で子孫を増やすので花を咲かせることもなく、植物の中では地味な存在ではありますが、杉山の中ような薄暗いところでも元気に育つ姿を見せてくれます。

太古の時代から地球上に登場している植物でもあり、現在の日本には700種類を超えるシダ植物があるようです。ワラビやゼンマイといった山菜もシダ植物ですし、春の代名詞の一つであるツクシ(スギナ)もシダ植物の仲間です。

園芸でも人気

見た目が地味なシダ植物ですが、苔と同様に古くから園芸関係では重宝されてきました。また最近では、観葉植物としてのシダ植物の人気が高まってきています。

前述しましたように、山林の中の薄暗い場所でも元気に育つことから、室内での鉢植えでも丈夫に育ちます。これを耐陰性といいますが、この耐陰性があることと、葉に特徴があるものが多いことが、近年シダ植物が観葉植物としての人気を得ていることの大きな理由であると考えられます。

オオバノイノモトソウ

このようなシダ植物。我が家の近所で見ることができる種類を紹介していきたいと思います。

第1回は、オオバノイノモトソウです。

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このオオバノイノモトソウは東北地方から九州地方まで広く自生していますが、我が家の周辺ではもっとも多く見られるシダ植物です。山地の林床(森や林の中の地面)に生育する種類のためだと思われます。

常緑性の多年草で、手の平のような形の葉をつけます(シダ植物は通常、外に出ている部分が葉で、茎は地下にあります)。葉のように見える部分の一つの長さは大きいものだと15㎝ほどになります。全体としては40㎝を超える個体もみられます。

イノモトソウという名前のシダ植物もあり、近い種で非常によく似ています。中央を走る茎状の部分にに羽のような葉が付いているのがイノモトソウで、付いていないのがオオバノイノモトソウです。

写真のシダには中央の茎状の部分に羽のような葉がありませんのでオオバノイノモトソウということになります。いろいろ探してみましたが、我が家の近くにはイノモトソウはみつかりませんでした。

特徴など

林の中でよく見かけますが、明るい場所を好みます(ただ、直射日光が長く当たると葉焼けをおこします)。ですので森の外にも生えています。とはいっても耐陰性もありますので、室内で育てることもできるシダです。

乾燥には弱く、多湿の場所を好みます。しかし、湿りすぎていると根腐れになってしまいます。また低温には強くはない種類です。園芸として育てる場合にはそれらの点を注意する必要があります。

オオバノイノモトソウは観葉植物としても栽培されることが多く、比較的育てやすい園芸品種としても人気のある種類のシダ植物です。