銀色に見える
育てている苔を紹介するシリーズ。
第5回目は、ギンゴケです。
御覧のとおり、葉の先端が銀色になっています。乾燥が進めば、さらに白くなります。これが名前の由来です。銀色に見えるのは先端に葉緑体が無いからだそうで、これによって直射日光により乾燥するのを防いでいるということです。
そのような乾燥に強い性質だからでしょうか、世界中に分布しており、日本では都会から山間部までいたるところで見ることができる強い苔です。
アーバンモスという呼ばれ方もされたりします。道路脇のコンクリートの壁面や石垣で白くなっている苔を見かけたら、ほぼ間違いなくこのギンゴケでしょう。
自然界で見かけるときは、コロニー(群生)を作って丸くなっている場合もありますし、疎らで平面的に生えている場合もあります。
※他人の所有地に生えている苔を無断で採取することは違法です。ご注意ください。
乾燥を好む
ギンゴケは湿潤な環境を好みません。むしろ乾燥した陽当たりの良い場所を好みます。暑さにも強いですが、蒸れることには弱いので、育てる場合はその点を注意する必要があります。水やりは頻繁に行う必要はなく、行う場合は涼しくなった夕方に行うのが適切な方法です。
銀色がきれいなのでテラリウムで育てたいところですが、テラリウムなど室内で育てることには向かない苔です。直射日光をしっかり当てる必要があるためです。
直射日光が当たる環境では通気性を確保しないと温度が高くなりすぎてしまいます。そうなるといくら頑強なギンゴケでも持ちません。室内の小さな容器の中で、人工的に豊富な陽光と通気性を確保する環境を作り続けるのは至難の業です。
一方で、外に置いた盆栽の根元などでは、太陽光がしっかり当たる場所に置けば、あまり手間をかけなくても割合丈夫に育つ苔です。