軒先で育てているヤブソテツの茎に、何やら泡状のものが現れました。
シダから出ているように見えなくもありませんが、これはシダが出しているものではありません。
では、何か。
虫の「巣」です。
虫の仕業
その虫とはヨフシハバチという蜂です。ハバチは原始的な蜂の仲間でヨフシハバチはその一種です。正確にはそのヨフシハバチの幼虫が出している泡なのです。
このヨフシハバチの幼虫が出す泡は非常にきめが細かく、例えるならホイップクリームに近いような外観をしています。強度も案外強く、軽く突いたくらいでは大きく崩れることはありません。
泡状の巣というと、アワフキムシをすぐに思い浮かべる方が多いとは思います。ですが、アワフキムシの幼虫が出す泡は洗剤の泡のような見た目です。ぱっと見ただけでも外観が明らかに違いますので、両者は簡単に見分けがつきます。
泡の中にいるのは、体調3㎜ほどのウジ虫のような白色の幼虫です。写真ではちょっと見にくいのですが、茎の下方に張り付いているのがその幼虫です。頭は薄茶色で胴体が白です。
ヨフシハバチの幼虫はシダの茎に穴をあけて住み着きます。そしてその周りに泡を出して身を守っているものと思われます。
穴をあけられたシダは、当然ですがその部分から弱くなり、折れてしまうことが多くあります。シダにとっては厄介な虫です。